2013/10/14

Dino Sabatini meets Donato Dozzy /『Journey Back To Ithaca』 [Outis]

10/14/2013
Artist : Dino Sabatini meets Donato Dozzy
Title : Journey Back To Ithaca (Outis 004)
Label : Outis Music (GER)
Release Date : 2013/07/10
Format : 12'




ベルリン在住のイタリアン・テクノプロデューサー、Dino Sabatiniが自身のレーベルOutisからリリースしたDonato Dozzyとのコラボシングル。このOutisというレーベルは、なんでもホメロスの叙事詩『オデュッセイア』にちなんだシリーズものをリリースしているのだとか。『オデュッセイア』はトロイの木馬の考案者である英雄オデュッセウスが、トロイア戦争後にポセイドンやらサイクロプスやらセイレーンに邪魔されたりしながら、愛妻の待つ故郷イタケー(Ithaca)を目指す。という奇天烈珍道中みたいな話ですが、過去作は全て自身も含むイタリアンの作品(またはコラボ)である所から察するに、ベルリンに在住するDino Sabatiniが自身をオデュッセウスに見立てて、地元のイタリアに目を向けるみたいなコンセプトなんでしょう。

肝心の音はというと、これが昨年のVFTL/『Voices From The Lake』と、Dino Sabatini/『Sharman's Path』を掛けあわせた感じの、まさにまんまな音。そのナチュラルな融合っぷりたるや、どっちがどういう役割なのか…といった感じですが、A面の"Telemacus"はDino Sabatiniっぽい重心の低く地味にうねっているベースと、パーカッシブなドラムによる呪術的グルーヴに、Donato Dozzyらしい浮かんでは消えていく幽玄なシンセやボイス・サンプル、虫の声などが彩る2人のコラボらしいハード・ミニマル。B面の"Penelope"も構造は同じだけど、こちらはキックによるシンプルでよりソリッドなグルーヴを作りあげている。どちらもMike Parkerばりに展開のないシンプルなトラックながらも、2人の個性がちゃんと感じられるディープかつフロアで映えそうな仕上がり。両トラックとも120BPMですが、回転数を落とすとよりディープな感触になり、A面なんかは、あ…湖の声が…ってな具合で『Voices From The Lake』の世界にトリップ出来ます。マスタリングはDubplates & Masteringだそう。

ちなみに、トラック名はA面がオデュッセウスの息子テレマコス、B面は愛妻ペネロペから取られている。Dino SabatiniにとってのペネロペはDonato Dozzyだった訳ですね。しかし『オデュッセイア』がコンセプトなら、イタケー島に帰ってペネロペと再会してしまった以上、このシリーズも終わりってことなのかしら。





 
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