シカゴ・ハウスを起源とするJukeのゴッド・ファーザー、Traxman待望のフルアルバム!は、ベテランらしく洗練された作品。なんだけど、うーん…幾つかかっこいいトラックもあったんですが『Bangs and Works Vol.2』収録の"Brainwash"ほど好みでもないし、どこかナンセンスなサンプル使いのトラックも、昔Fantastic Explosionがやってた70年代D&Bと似た様なもんかしら…と思うくらいで、さほど面白いとも思えずあんまりハマれませんでした。家でリスニングもののアルバムとして聴くなら、洗練されていながらも暴力的な衝動を纏っていたDJ Diamond /『Flight Muzik』の方が私は好き。やっぱりこれはDJが現場で掛けてナンボなのかなぁと。
Lil B "The Based God" / Green Flame [Self-Released]
これに関してはガッカリする程期待してた訳じゃないけど…。さて、フリーミックステープ時代の象徴的存在であろう、このLil B "The Based God"なんですが、クラウド・ラップでもベイスト・ミュージックでも何でもいいんだけど、その浮遊感溢れるトラックは単純に聴きやすいので、Lil Bのgdgdな酔いどれラップ(Based Freestyle)も含め、なんとなく気に入っている。ただ、いかんせんリリース量が多すぎる為か『Based God Velli』の様な良作がある一方、「なんだこれ」な作品も散見しており、中でもこのFlameシリーズは個人的に地雷だと思っていて、緑もやっぱり「なんだこれ」なのでした。まあなんせ神様のやる事ですから、理解出来ない事もありますよ。
今年のガッカリ・オブ・ジ・イヤーはコレに尽きる。という訳で、UKのサイケ・ドリームポップ4ピース、Trailor Trash Tracysのデビュー作『Ester』(過去記事)です。確かに"You Wish You Were Red"や"Candy Girl"は悪くないんだけれど、他がどうもテキトウ臭いというか。まあなにやら色々やってはいるものの、実験的とかそんな高尚なものではなく、大林宣彦の『漂流教室』見ちゃった後みたいな気分になるんですよ。Next The xx!とかいう売り文句から、クロスビートのシューゲ特集でのビッグマウスまで全てが憎い。始めにどれも悪い人たちではないです。と書いたけど、こいつらは例外。TTT絶対に許さん!!あ、でもライブは行ってみたい。