V.A. /『Project:Mooncircle 10th Anniversary Compilation』

6/12/2012

ベルリンのHip-Hop系レーベルというProject:Mooncircleの10周年記念コンピレーション。この作品はMike Slottの音源を探してたら辿り着いたんですけど、Sun GlittersやOm Unit, headshotboyzなど見知った面子から、Daisuke Tanabe, Inner Scienceといった日本人のトラックも収録されているし、46曲入りで配信版は€15、アマゾンでも1500円とリーズナブルだったのでまあ失敗してもいいかな程度の気分で購入。ele-kingのレビュー見てもよさそうだったですしね。

ってな訳でいざ聴いてみると、全体的には抑制的で落ち着いた感触ではあるものの、ヒップホップからダブステップ、チルウェーブ、エレクトロニカ…と多種多様なスタイルが揃っていて飽きさせない内容。
ロシアのDZAはゲームミュージック的な音を取り入れたベースミュージック、同じくロシアのPavel Dovgalは強烈なベース音の和風なトラック(芭蕉や川端康成が必修だというウクライナに居たから？)、ルーマニアのEmptはキレのあるミニマルトラックが後半美麗なエレクトロニカへと変わり、LAのDday Oneは成熟感のあるヒップホップビートを披露、フロリダのベテランCyne(Feat. Substantial)は楽しげなビートとラップを響かせ、メキシコ出身のシンガー・ソングライターというGraciela Mariaの”Last Place”は壮大な美しいボーカルトラックで、この3時間に及ぶ大作のエンディングに相応しい余韻を残してくれます。

まあ殆どが知らない人ばかりだからこそ新鮮に感じるのかもしれないけれど、各トラックともよく出来ていてすごく楽しめたし、これはなかなか素晴らしいコンピなんじゃないかな。ちなみに6月29日には先日ApolloからEPをリリースしたSubmerseと、EmptのEPが予定されているそうで、そちらも聴いてみたいところ。