2012/01/10

2011.年間ベストアルバム40+10 [選外10作品]

1/10/2012
色々あった2011年も気がつけば終わりという事で、年間ベストアルバムをまとめてみようかなと。
ベスト20までは最近参加させてもらっている、音楽中毒の皆さんがベスト盤を発表する素敵企画
ecrnアワードさんに既に投稿済ですが、それ以降届いたアルバムも含めて40位+αまで選びました。
ただ、15~30位辺りは割りと順不同気味でてきとうです。

ルールの様なもの
  • 2011年に国外又は国内でリリースされた作品
  • シングル、EPは除外、ただし30分程度の長さがある作品は例外
  • MIXCD、コンピなどV.A.もの、リイシュー作品は除外

まずはランク外から惜しかったりガッカリで印象的だった作品を幾つかピックアップ。
下へ行くほどガッカリ度が高かった寸法ですが、どれも悪い子ではないです。

Chad Valley / Equatorial Ultravox [Loose Lips]
オックスフォードのバンドJonquilの太っちょ君ことHugo Manuelのソロプロジェクト、Chad Valleyの2nd EP。ちょくちょくイビザに行って作り上げたという本作は観光地のリラックスした雰囲気の影響なのか、ベタなノリではあるがトラックの完成度も軽やかさも増して(ついでに本人の体重も増して)、エーエーエーという声が相変わらず気持ちよい逸品。Friendly Firesのオープニングアクトとして来日した際は、体がビリビリする強烈な低音をかましてくれまして、昔の映画館でやってたらしい「センサラウンド方式」ってこんな感じだったのだろうか…と、どうでもいい事を考えていた記憶があります。

Chad Valley - Now That I'm Real (How Does It Feel?)


Gil Scott-Heron & Jamie xx / We're New Here [XL / Young Turks]
The xxのJamie xxとGil Scott-Heronのコラボ作。コラボとはいってもGil Scott-Heronが前年にリリースした『I'm New Here』の声だけ拝借して、Jamie xxが全く新しくトラックを作ったというユニークな作品。Jamie xxのトラックは多彩で楽しいし、"Ur Soul And Mine"や"NY Is Killing Me"は本当に格好いい。でも、Gil Scott-Heronのボーカルと合っているのかっていうと、うーん…となってしまう。最後の曲"I'll Take Care Of U"はすごくハマってて素晴らしいなと思うんだけど、やっぱりこのアルバムについては最初から2人の共作だったらもっとよいものが出来てたんじゃないだろうか、という可能性と同時に物足りなさも感じてしまう。


Gil Scott-Heron & Jamie xx - I'll Take Care Of U


King Creosote & Jon Hopkins / Diamond Mine [Domino]
Kenny AndersonによるフォークプロジェクトKing Creosoteと、エレクトロニカの名作『Contact Note』などで知られ、プロデューサーとしても活躍するJon Hopkinsのコラボ作。King Creosoteの作品は聴いたことないけど、"Bubble"のPVに惹かれて配信で買ってみたら、これがなかなかよかった。Jon Hopkinsは裏方に徹している様でエレクトロニック色は薄いが、控えめながらも重厚な音のレイヤーを作り上げていて、King Creosoteの優しい声とギターに自然に溶け込んで気持ち良い。まあ、"Bubble"の出来が抜けているので、Youtube見てるだけで充分な気もします。メイキング映像もお薦め。

King Creosote & Jon Hopkins - Bubble


Starfucker / Reptilians [Polyvinyl]
ポートランドのエレクトロ・ポップバンド、Starfuckerの2nd。昨年発売された先行シングル『Julius』を聴いた時は、シンディ・ローパーの"Girls Just Want To Have Fun"のカバーなどでそれなりに知られてはいるものの、いまいち冴えなかった彼らが遂に万人ウケするキャッチーでノリのよいポップチューンを獲得した・・・!と喜んだもので、それは#3."Bury Us Alive"でも証明されているし、どの曲も一定以上の水準で地味ながらなかなかの力作。ただ、ボーカルの花の無さは如何ともし難いものがあって、1、2曲女性ボーカルを起用してもいいんじゃないかとは思わなくもない。


Starfucker - Julius


The Horrors / SKYING [XL Recordings]
ジェフ・バーロウ(Portishead)プロデュースの傑作『Primary Colours』から2年、The Horrors初のセルフプロデュースとなった3作目。このアルバムで一番好きな曲が"You Said"な次点で私がホラーズに求めていたのはダークさにある訳で、この淡い美しさを持った世界観もこれはこれで悪くないんですけども、2ndに比べるとちょっと退屈で物足りなさの残る作品になってしまった。ただ、セルフプロデュースでもしっかりしたものを作ってきたと思うし、やっぱりライブ映像見るとホラーズって格好いいんですよね。てな訳で次回作も期待。

The Horrors - Still Life


FaltyDL / You Stand Uncertain [Planet Mu]
元寿司職人の名残りなのか、右手が鯉のぼりみたいなNYのプロデューサー、FaltyDLの2nd。最近では彼がやってる様な音楽をFuture Garageと言うのだとか。まあそれはどうでもいいとして、2ステップ/ガラージにジャズやR&Bのフィーリングを加えた様なアーバンな曲はとても聴き心地がよいのだけど、どこかツルツルノッペリしていてアルバムとしてはあまり印象に残らなかった。僕が気に入ったのは歌モノの"Brasil"や、熱のあるDnBトラック"Lucky Luciano"くらいで、自分には合わなかったんだろう…と思っていたら、最近Ninja Tuneからリリースされた『Atlantis EP』が物凄く格好よくて、ますますこの作品の影が薄くなってしまった感じ。


FaltyDL - Lucky Luciano


eastern youth / 心ノ底ニ灯火トモセ [VAP]
eastern youthの通算14枚目となる作品。この人達については最早言うことも無くって、"這いつくばったり空を飛んだり","尻を端折ってひと踊り","東京West","雑踏"とライブ映えするいい曲揃ってるし、いつも通りです。でも、このアルバムはなんとなく吉野の声が苦しげに聴こえて、そこに物足りなさを感じる。ライブではそんな事ないので、ここらでライブ盤出してくれると嬉しいんですけど。


eastern youth - ドッコイ生キテル街ノ中


Unknown Mortal Orchestra / Unknown Mortal Orchestra [Fat Possum]
バンド活動に限界を感じたRuban Nielsen青年、しかし音楽を諦めきれず自宅や友人宅でコソコソ宅録して作っていた楽曲がやがて日の目を見る様になり…というBon Iver風の美談を持つローファイ・インディポップUnknown Mortal Orchestraの1st。各所で評判よかった事もあり、ジャケットに惹かれてロクに試聴しないで買ったら全然合わんかった。なんというか、二畳しか無い様なあり得ないくらい狭い部屋で、ローファイだのファンクだの言いながら嬉々として実験している様な絵が浮かんできて聴いてるとイライラしてくる。LoveをLuvって書くのも嫌…と、まあ酷いこと言ってるけど、これ書きながら久々に聴いたら悪くないなと思ったのは内緒。


Unknown Mortal Orchestra - How Can U Luv Me


White Lies / Ritual [Fiction]
2011年のガッカリ・オブ・ジ・イヤー。ウエスト・ロンドン出身の仲良し3人組White Liesの2nd。暗くて、重苦しくて、でもメロディアスな1st『To Lose My Life』から世界観はそう変わってないんだけど、今作ではエレクトロニックな要素が増えたと同時に、White Lies最大の魅力であった重苦しさが薄くなってしまった様に思う。"Strangers", "Bigger Than Us", 1stっぽい雰囲気のある"Holy Ghost"と聴ける曲はあるものの、ごめんなさい、全く面白みを感じませんでした。まあ一言で言うと「ホワイトライズ先生の次回作にご期待下さい」ってとこでしょうか。


White Lies - Holy Ghost

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